
以前、株とFXの関係性に関する記事を書きましたが、読んでいただけた方は具体的にそれぞれがどんなふうに動きやすいか、ということを理解していただけたと思います。
まだの方や内容を覚えていない方は先に前回の記事をご覧ください。
さて、今回はさらに一歩突っ込んで、FXトレードの精度を上げたいならチェックするべき主要な株価指数についてお話しします。
株価指数とは?
まずは完全初心者にもこの記事を理解できるように、株価指数とは何なのか、という基本から入っていきたいと思います。
例えばドル高要因になる「米国株の上昇」をどうやって確認すればいいのか?という話ですが
いちいちアップルの株価を確認して、グーグルの株価を確認して、コカコーラの株価を確認して・・・と無数にある個別株を確認していくのは大変ですよね。
確認し終わる頃には最初に確認した個別株の状況も変わっているでしょうし、為替相場もとっくに上がりきっているでしょう(笑)
こんなことにならないように、ある条件に絞った個別株の平均株価や時価総額(株価×発行株式数)を算出したものが存在します。
それが株価指数というやつです。
株価以外にも、国債や不動産、コモディティなど、いろんな指数が存在していて、その中でも株価に関する指数を「株価指数」と呼ぶんですよね。
この「インデックス」というのが日本語で「指数」を表していて、上に挙げたような指数に連動させることを目標にした投資手法のことを「インデックス投資」といい、インデックス投資を取り入れたファンドのことを「インデックスファンド」と言います。
いろんな用語が出てきて混乱してしまう方は、覚えなくても大丈夫です!
とにかく「指数は投資の世界においてかなり重要なんだな〜」ということを理解しておいてください。
トレード前にチェックするべき主な株価指数
ここからは、前回記事で「株価とFXの関係性」について理解できている前提で各指数を紹介していきます。
繰り返しになりますが、まだ読んでいない方、内容忘れちゃったよ、という方はこちらを読んでから戻ってきてください(5分あれば読めます)。
また、いろんな株価指数を紹介したいところですが、情報量が多くなって覚えきれなくなると本末転倒なので、ドル円のトレードで意識したいものについてだけ解説することにしました。
日経平均株価(JP225)
言わずもがな、日経平均株価は日本の株価の動向を表す指数です。
ニュース番組でも必ず取り上げられるほどの認知度で、日本人なら誰しも聞いたことがあるくらい、馴染みのある株価指数だと思います。
日経平均株価の算出方法
日本経済新聞社が選出した225銘柄の平均株価を算出したもの
厳選された225銘柄に絞って算出しているので、日本経済に大きく影響を与えている企業が揃った指数です。
日経平均株価のFXでの活用例
JP225上昇 | JP225下落 |
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ドル円上昇 | ドル円下落 |
日経平均株価の上昇がドル円を引き起こすのか、あるいはその逆か
「鶏が先か、卵が先か」という話になりますが、これはどちらが先に起こると決まったものではありません。
日経平均株価の動向もしっかりチェックすることでより強い根拠をもってエントリーすることができるので、ぜひともトレードの参考にしたい指数です。
TOPIX
読み方は「トピックス」です。
これも日本株に関わる指数で間違いありませんが、日経平均株価とTOPIXではカバーしている範囲や算出方法が違います。
TOPIXの算出方法
従来の東証一部上場企業全ての時価総額を算出
※2021年5月時点では2,191銘柄
1968年1月4日時点を100として、現在の時価総額がどうかを数値化しています。
旧東証一部の銘柄全ての時価総額なので、より「日本経済の動きを表している」といえますね。
代わりに「プライム市場」「スタンダード市場」「グロース市場」という3つの市場区分ができています。
TOPIXのFXでの活用例
TOPIX上昇 | TOPIX下落 |
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ドル円上昇 | ドル円下落 |
基本的には、日経平均株価と同じ考え方です。
算出方法は違いますが、どちらも日本の株価を表す指数なので大局に大きな差は出ないでしょう。
NYダウ平均株価(US30)
今度は米株の代表的な株価指数です。
NYダウ平均株価の算出方法
ニューヨーク証券取引所やナスダックに上場している中から30銘柄を選出して株価を平均化したもの
30銘柄は成長性や知名度の高い企業であることなど、いくつかの基準をもとに選んでいます。
現在NYダウ平均株価に採用されている銘柄は、こちらの構成銘柄一覧から確認できます。
NYダウ平均株価のFXでの活用例
US30上昇 | US30下落 |
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ドル円上昇 | ドル円下落 |
ただし、NYダウ平均株価は超優秀な30銘柄で構成されていて、入れ替わりもあるため右肩上がり一辺倒になりやすいです。
銘柄数も少なく、米国経済全体を表すかと言われると微妙なところではあります。
とはいえ世界経済の中心、アメリカの代表企業30銘柄なので、世界中の景気すらコントロールする可能性がある指数であることに変わりありません。
野球でいうところの「オールスター」みたいなものです。
S&P500(US500)
S&P500は投資家の中では最も重要視される株価指数かもしれません。
S&P500の算出方法
ニューヨーク証券取引所やナスダックに上場している中から代表的な500銘柄を選出して時価総額を平均化したもの
こちらも米国株に関わる指数ですが、優良な500銘柄を集めたものなのでUS30よりも米国経済を表したものといえるでしょう。
米国経済は100年単位で右肩上がり、といわれていますが、それならS&P500に資産を連動させておけば、長期的に資産増加を狙えるということですね。
S&P500のFXでの活用例
S&P500上昇 | S&P500下落 |
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ドル円上昇 | ドル円下落 |
ナスダック総合指数(NASDAQ)
ナスダックは米国株式市場の中でもベンチャー企業で構成されている市場です。
ナスダック総合指数の算出方法
ナスダック市場全銘柄の時価総額加重平均を算出したもの
時価総額加重平均というと難しそうですが、企業の規模が様々なので、そのまま時価総額を平均化すると規模の大きな企業の時価総額に大きく偏った平均値が出てしまいます。。
「加重平均」はその偏りを解消しつつ平均化したもの、くらいの認識で問題ないでしょう。
ナスダック総合指数のFXでの活用例
ナスダックが乱高下するときは、金利に関する情報が飛び交うとき。
ベンチャー企業は事業投資をするのに借りたお金の割合が大きいので、ベンチャー企業の業績は金利の影響を受けやすいと考えられます。
ファンダメンタルズ的に金利はかなり為替相場に影響を与えるので、ナスダックが大きく動いているときは金利の情報に注意すると良いでしょう。
おまけ:恐怖指数(VIX)
VIXの読み方は「ヴィックス」です。
恐怖指数というとなんだか怖いですが(文字通り)、株式市場に参加している人たちが今の市場に対してどれくらい恐怖を感じているか、という指数です。
VIXが高いほど恐怖を感じている人が多くて、低ければ低いほど楽観視している人が多いと読み取ります。
例えばここ数年で新型コロナウィルスが世界的に大流行、世界経済は打撃を受けて「コロナショック」と表現されるようになりましたが、このコロナショックのときも恐怖指数は上がっていました。
恐怖指数からわかること
VIX上昇 | VIX下落 |
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リスクオフ | リスクオン |
株売り・安全資産買い | 安全資産売り・株買い |
数値が高いということは多くの投資家がリスクを嫌いますので「リスクオフ」の動きを取ります。
株は他の資産に比べてボラティリティが高く、リスクが大きめの商品なので恐怖指数が高い時には売られやすく、債券や貴金属などの安全資産を買う動きが全体的に見られます。
逆も然りで、数字が低い時は「リスクオン」の動きが加速し、株式市場にお金が流れやすくなるということです。
まとめ:株価指数は為替相場の環境認識に役に立つ
FXと株は切っても切り離せない関係。親友のようなものです。
好きな女の子と脈アリかどうかがわからないなら、その親友と仲良くなって色々と聞き出すのが良いですよね。
それと同じく、為替相場とうまく付き合っていきたい、利益を出したいなら株価の動向もチェックするべきではないでしょうか。
ファンダメンタルズ分析が1つできるようになれば、そのファンダメンタルズに順張りするだけでも勝率は劇的に上がります。
別に全てのファンダメンタルズ分析をマスターしなくても、断片的にでも使っていけばいいんです。
頑張っていきましょう!
ファンダメンタルズに関するまとめ記事はこちらです。