FXで勝てる取引手法を使ってもなぜか負ける理由 〜人間心理が邪魔をする〜

どうも、Kotaです。

FX相場の世界では、負けトレードを避けることは不可能であり「トータルで勝つ」という考え方を持つのが必須です。

FXの勝ち方について書かれた本やWebサイトは腐る程あります。その中でも多く目にするのは

  • 損切りラインは死んでも引き延ばすな
  • ナンピンはするな(もしくは◯回まで)
  • 損小利大のトレードを徹底する
  • 証拠金◯万円につき1ロット

などなど・・・

優秀なトレーダーの経験や実績を元に考えられた「勝ち続ける」ためのルールがありますよね。

FXで負ける割合が多い理由

でも、とっさの判断が必要なとき、人間は感情で行動します。特に、FXのトレードをしているときに顔をのぞかせるのが「恐怖」「欲」の感情。

この「恐怖」「欲」の2つの感情が、トレードルールをめちゃくちゃにします。

そもそも人間心理的に、FXは向いていないということです。

人間は、よくわからないものに対して恐怖心や不安を感じる生き物です(例えば幽霊なんかそうですよね)。

FXに関してもそうで、この後どういう相場になるかは誰にもわからないので、それに対して焦りや不安を感じたり、恐怖心を持ってしまいます。

世の中で出回っている「必勝法」「取引手法」というのは、明確な根拠を示せていないものが多いため、その取引ルールを守り続けることができないのだと思っています。また、その情報の受け手側が、その根拠を知ろうとしない、理解を深めようとしないというのも、FXの相場に恐怖を抱く理由の1つです。

要は、その手法にはどういう背景があって、どんな根拠で支持されているのかをしっかり理解することで、相場に対する恐怖や不安は軽減されるはずです。

そもそも「FXで利益が出せない」という悩みを持っている方は、よくわからないFXの相場に対して期待しすぎ。損失を出来るだけ出さないように、マイナスを限りなくゼロに近づける、という風に脳みそを切り替えた方が良いと思います。

FXやるなら人間心理を把握しよう

人間心理には、ある程度の法則があります。その法則を学ぶのが「心理学」という分野ですが、FXをやるなら、心理学の中でもFXと関係のある分野くらいは知っておいた方が良いです。

どんな局面で、どんなメンタルになるのかがあらかじめわかっていれば「今の自分は感情的になっている」と自覚することができますし、感情に任せたトレードを避けることができます。

プロスペクト理論

FXトレードを行う人間の心理について、もっとも有名なものとしてプロスペクト理論が挙げられます。

これは、人間は利益を得ることよりも、損失を回避しようとする感情の方が強いということです。

利益に対してはリスク回避的

例えば

  • 50%の確率で100万円をゲットできるくじ引き
  • 100%の確率で50万円をゲットできるくじ引き(ハズレなし)

このどちらかのくじ引きを、たった1回だけ引くことができるとするならば、大多数の人間は後者を選ぶということ。

50%の確率で何ももらえないよりも、確実にお金がもらえる方を選ぶ。つまり、自分にとって利のあることに関してはリスク回避的になるということです。

損失に対してはリスク愛好的

逆のパターンも考えてみましょう。例えば、あなたが今100万円の借金を抱えているとして

  • 50%の確率で借金をチャラにする
  • 100%の確率で借金を半分(50万円)にする

という2つの選択肢があった場合、大多数の人間は前者を選びます。

借金をゼロにできる可能性があるならば多少の博打でもやってみよう、とリスクをとりにいきます。つまり、自分が損を抱えていてそれを解消する、という場合、リスク愛好的になるということ。

FXでもプロスペクト理論が当てはまる

FXで大多数の人間が損失を出している理由は、この心理にあります。

  • エントリーした後、利益が乗ってきた時に「相場が逆行してこの利益が消えないうちに利益確定しておこう」という心理
  • エントリーした後、含み損を抱えた時に「いつか戻ってくるだろうからこのままポジションを持ち続けよう」という心理

このような感情になることはあなたも経験があるでしょう。

利益が目の前にある時は、早く利益を確定して、利益が消えるリスクを回避したい。一方で損失が目の前にある時は、さらに含み損を抱えるリスクはありながら、しばらくポジションを持ち続けて、少しでも含み損が少なくなるところで確定したい。

こうやって、利益確定は早く、損切りが遅くなって、マイナスの部分を大きくしてしまうんですね。

リファレンスポイント

遊園地のアトラクションに並んでいる時、待ち時間が30分と出ているのに、20分で案内されたら嬉しいですよね。逆に、待ち時間が30分と出ていたのに60分待たされたとなると・・・怒り出す人もいるかもしれません。笑

これが、リファレンスポイントというやつです。最初の「待ち時間30分」というところに基準を作って、それより早ければラッキー、遅ければ不満を感じる、という心理です。

FXでリファレンスポイント

FXに当てはめて考えてみます。

ドル円のチャートを開き、1ドル100円だったので買ったところ、102円まで上昇。まだまだ上がりそうだったのでポジションを保有し続けると、101円まで下落してしまった。

この場合、人間は1円損してしまったと感じるのです。

102円まで上昇し2円の利益が出ているのを目の当たりにすると、それを基準にしてしまうので、101円に下がると含み益が出ているにも関わらず損をしたと感じてしまうことです。

だから、ポジションを保有している状態で含み益が出ていたとしても、少しの下げで不安になって慌てて利益確定してしまいます。この記事の前半でお伝えした、利益の伸ばし方を「知らない」ことによって不安や焦りが出ているパターンですね。

FXに限らず「嫌なことを避けたい」心理

プロスペクト理論にもあるように、利益を伸ばさないといけないことが頭ではわかっていても、すぐに利益を確定したがる傾向があります。

また、リファレンスポイントからわかる通り、利益が出ているのに「損をした」と感じる、一見矛盾しているような感情があるのです。

簡単にいうと、FXに限らずですが「嫌なことを避けたい」という感情が「利益を伸ばしたい」という感情よりも優先されている結果、このような行動をとってしまうわけで、それをしっかり自分で理解した上でFXに臨めば、そんなに怖がることはありません。

トータルでマイナスにならない限り、あなたの資金は増えています。

当たり前のことですが、このことをしっかりと念頭に置いて、FXトレードに取り組みましょう!