
こんにちは、Kotaです。
世界中のFXトレーダーの中でおそらく最も利用されているであろうFX取引ツール「MT4(Meta Trader 4)」ですが、Mac版に絞った情報が意外と出回っていません。
そこで、10年近くMacを使い続けてきて5年以上のFX経験を持つ僕が、Mac版MT4に関するよくある質問を書いていこうと思います。
今回はその中でも「Mac版MT4を複数インストールする方法はあるのか?」という疑問について。
僕は、チャート分析をするのに「Tradingview」というWebアプリを利用していますが、やはり実際にトレードを行う際にはMT4の存在は欠かせない存在です。
さらにただの取引ツールとしてだけではなく、自動売買ソフト(EA)を稼働させることができるというのも有名ですよね。
そんな便利なMT4なので、1台のパソコンに複数インストールできれば
- 自動売買ソフト稼働用と裁量トレード用
- 手法検証(デモ口座)用とリアルトレード用
などなど日々のトレードに便利になったり、口座を分けて使うことができるようになります。
実際に、以前Windows版で複数のMT4をインストールする方法について記事を書いたことがあります。
Mac版MT4は複数インストールのメリットがない
ここで先に結論から書いてしまうと、Mac版MT4を複数インストールすることは可能です。
ただし、Windows版とはまるで勝手が異なり、複数インストールによるメリットはまったく享受できません。
Macでは同時に2つ以上のMT4を開けない
実はMac版MT4は、Macに最適化して開発されたものではありません。
「Windows版のソフトをMacでも動かせるようにするアプリ(Wineといいます)」をパッケージに組み込んで、そのWineを介してWindows版MT4を起動させているというのが実際のところです。
Mac版MT4を日本語化させると文字化けするというのは有名なことですがそれもWineを使っているのが原因。
インジケーターファイルや自動売買ソフト(EA)のファイルなどをインストールするときに「データフォルダを開く」では格納場所にアクセスできないのも、Wineが原因です。
こういう仕組みが、Mac版MT4の複数インストールを難しくしています。
こんなふうに、MetaTrader4.app というアプリケーションファイルを複製する
もしくは、アプリケーションの名前を変更して、もう一度MT4をインストールすると、こんなふうにアプリのアイコン自体は2つに増えます。
ただしこれでは複製されたとはいえず、2つのアプリは繋がっているため、単にアイコンが2つに増えただけになります。
その証拠に、2つのMT4アイコンのどちらを開いても
インストール時点では口座情報が空っぽのはずなのに、すでに自分の口座に紐付けられています。
これは、元々インストールされていたMT4のデータを読み込んでいるから起こる現象ですね。
当然、MT4を起動した状態で別のMT4を起動しようとしても、すでに開いているわけですから2つ目のウィンドウは開いてくれませんでした。
少しややこしい話ですが、まとめると
Mac版MT4を複数インストールすると、アイコンは増えるが同時起動も使い分けもできない
ということになります。
厳密にはアプリケーションのソースコードを修正することでおそらくなんとかなるとは思いますが、僕はWineに関してはよく知らないので、どこが原因かを調べて適切に対処するのは気が遠くなるほどの作業になると思います。
わかる方がいらっしゃれば、メールやコメントなどでこっそり教えてください。笑
MacユーザーでMT4を複数インストールしたい場合の解決策
というわけで、MacユーザーにとってMT4複数インストールの悲願は叶うことがありませんでしたが
複数インストールして口座ごと、手法ごと、用途ごとに使い分けたいという気持ちはわかります。
そこで、MacユーザーのFXトレーダーにとても便利なサービス、ソフトをいくつかご紹介して終わりにしようと思います。
Parallels Desktopを買う
MacでWindows専用ソフトを扱う上で、まず筆頭候補として挙がるサービスが「Parallels Desktop」です。
Parallels Desktopは、Mac上でWindowsを起動することができるアプリで、Windowsそのものを立ち上げているので当然Windowsでしか動かないアプリもParallels Desktop上で使うことができます。
Windows版のMT4を使うことができるので、複数インストールももちろん可能です。
MT4に限らず、色んなWindows向けソフトを扱うことができる汎用性の高さも良いですね◎
必要なときだけWindowsを手軽に使うことも、息抜きにWindows対応のPCゲームをすることもできるので、まずは無料トライアル版で試してみてはいかがでしょうか。
もし製品版を購入される際は、サブスク型と買い切り型があるので注意です。
年間1万円ちょっとのサブスクのほうができることが多い(性能が良い)上に、バージョンアップも対応しているのでサブスクがオススメです。
買い切り型は、バージョンアップするにはもう一度買い直さないといけないため、ちょっと損した気持ちになるかもしれませんね…。
VPSを利用する
VPSは、簡単に言うと「インターネットという仮想空間に、自分専用のWindowsパソコンを借りる」ようなイメージです。
契約したVPSを遠隔操作することで、Macを使っている人でもWindowsを利用することができます。
VPS上にWindows版のMT4を複数インストールすることで、いろんな使い分けが可能になるわけですね!
またParallels Desktopの場合は、自分のMacの中にWindowsを入れるイメージでしたが、VPSの場合は自分のMacではなく仮想空間にWindowsパソコンがあるので
Macの電源を切ってもWindowsパソコンはつけっぱなしにすることができます。
つまり、VPSを使うと電気代を気にせずにパソコンをつけっぱなしにし、MT4を常時立ち上げておくことができるわけです。
そのため、VPSは自動売買ソフトを使用するFXトレーダーには必須といってもいいレベルのサービスです。
VPSに関して、一番のおすすめは「ABLENET(エイブルネット)」です。
また、ABLENETに関しては以前に別記事で紹介したことがあるので、興味のある方は一度読んでみてくださいね。
まとめ
今回は
- Mac版MT4を複数インストールすることはできない
- Macユーザーが複数のMT4を扱うには「Parallels Desktop」やVPSがオススメ
という内容でお届けしました。
MT4はFX取引アプリとして世界中で使われているアプリですが、Macへの対応度としては正直微妙なところです。
Wineを使ったやり方に落ち着いているところを見ると、開発者の今後のアップデートに期待!とはいきません。
やはりMT4を便利に使いこなすためには、Windows環境も手元に用意したほうが良いと思います。
そんなときに僕たちMacユーザーにとって強い味方になるのが、Parallels DesktopやVPSの存在です。
多少の出費にはなりますがトレード環境への投資と考えるととてもコスパが良いと思うので、ぜひ取り入れて見てくださいね。