移動平均線を応用したMACDの使い方

FXのインジケーターは星の数ほど存在しますが、MACDは、世界中の投資家たちが愛用する、超メジャーなインジケーターです。

それだけメジャーということは、使い勝手がよく、とても多くの情報を与えてくれるということなので、これを使わない手はありません。

多くのFX投資家が使っているインジケーターを使うことで、あなたも世界中の投資家が意識しているポイントや、どのように考えてエントリー、決済をすれば良いかがわかるようになります。

今回はMACDを正しく理解して、正しい相場の読み解き方ができるように解説していきます。

MACDは移動平均線の発展形

MACDとは、

  • 2本の異なる期間設定の移動平均線の差を表したMACDライン
  • そのMACDラインの移動平均線(シグナルライン
  • MACDラインとシグナルラインの差を表したヒストグラム

この3つで構成されています。

これは、この記事を書いている2019年4月7日(日曜日なので相場はストップしています)現在のドル円15分足に、MACD2というインジケーターを表示させたものです。

MACDライン

MACDラインは、2本の移動平均線が、現時点でどれくらい離れているか(移動平均線の乖離)を表しています。

つまり、MACDラインが上昇していけば、短期移動平均線が長期移動平均線を上抜いて勢いよく離れていっているということなので、この間であれば、下位足を使って、トレンド方向へのエントリーのタイミングを探ることができますね。

パターン1:MACDラインの0ライン到達

このMACDラインが0ラインを通過するときは、2本の移動平均線がクロスすることを表します。

ゴールデンクロス、デッドクロスという言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、これもある程度のエントリーの材料と捉えることができますよね。

パターン2:MACDラインが0ラインに到達せず再度反転

MACDラインが0ラインを通過せずに再度反転した場合は、短期移動平均線が長期移動平均線を抜くことなく、再度トレンド方向に転じたということになります。

この場合は、様子を見ながらエントリーorポジションの追加をするタイミングを探ると良いでしょう。

パターン3:MACDラインが反転下落(上昇)

例えばMACDラインが上昇していたところで、頂点から下落して0ラインに近づいてくるときというのは、本の移動平均線の幅が狭まってきた、つまり上昇トレンドの勢いがなくなってきたことを表します。逆も然りです。

保有しているポジションを決済するサインと捉えることもできますね。

シグナルライン

続いて、MACDのシグナルラインについてです。

シグナルラインは、MACDラインの数値を、指定した期間で平均化したもの。簡単にいうと、MACDの移動平均線です。MACDラインに少し遅れてついてくる性質があります。

よく利用される期間は9ですが、これもご自身の使いやすい数値を探してみると良いでしょう。

具体的にいうと、例えばMACDラインが上昇していてシグナルラインよりも上にあるとき、上昇トレンドの勢いがかなり強いということを意味しています。逆も同じことです。

そして、MACDラインとシグナルラインの位置関係をよりわかりやすくしたものが、次に解説するヒストグラムの正体です。

ヒストグラム

最後にヒストグラムについて説明します。

これはMACDラインとシグナルラインの幅を表す、かなり反応の早いオシレーターとして重宝します。僕は、ヒストグラムを決済のサインとして利用することが多いです。

移動平均線だけを見ていてもなかなかトレンドの終了に気づかないものですが、ヒストグラムを見てみるとトレンドの終了or転換を早く察知することができるので、利益を最大限伸ばした状態で利益確定をすることができるのがヒストグラムの良いところ。

ちなみに、ヒストグラムの0ライン到達は、MACDラインとシグナルラインの交差を表しています。

実際にMACDを使ってトレードを行ってみた

ここまででMACDに関しての説明は終わりですが、実践編ということで、僕が実際の相場に当てはめてどのように利用したかをお見せします。

どのようにエントリーするのが正解、ということはありませんし、僕の考えにも改善の余地はまだまだありますが、参考としてご覧ください。

僕が何をみてどう判断したか、数字を振って順番に書いています。青字で書いた部分がエントリーの根拠、緑字は決済の根拠とした判断材料です。

エントリー根拠1:MACDラインが0ラインを上抜く

まず、MACDラインが0ラインを上抜き、移動平均線のゴールデンクロスが起こったことで、上昇トレンドを意識します。

エントリー根拠2:レジサポ転換を確認

画像の左端の方をみていただくと、高値をつけた後にその高値を更新していませんでした。

ところが根拠1でMACDラインが0ラインを上抜いた後、価格はこの直近高値をブレイクしていますよね。そしてその後価格が戻ってきていますが、左端の高値の水平ラインを割ることなく推移しています。

つまり、左端のチャートではレジスタンスライン(抵抗線)でしたが、一度ブレイクした後、そのラインがサポートラインとして機能しているのがわかります(これを「レジサポ転換」といいます)。

このレジサポ転換が確認できたことで、この後エントリーをした時に「サポートラインを割ったら損切り」という風に損切り基準を設けることができるので、仮に思うように価格が上がっていかなかったとしても、損切りラインが明確になります(エントリー前に損切りラインを決めておくことはかなり重要事項です!)。

エントリー根拠3:移動平均線で反発

僕が買いでエントリーした決め手がこれです。根拠1、2が揃った状態でエントリーのタイミングを待っていましたが、価格が移動平均線に支えられ、上に反発しているのを複数回確認しました。

これは、『勝ちやすい相場と負けやすい相場を判断しよう』という記事を見ていただければ分かる通り、買いが有利な状況です。

移動平均線で買い支えられているのを見た僕は、根拠2で決めておいた損切りラインにStopLossを設定し、買いでエントリーしました。

利益確定根拠1:ヒストグラムが0ラインを下抜く

先ほど、ヒストグラムはとても感度の良いオシレーターとして機能する、という話をしましたが、ヒストグラムが0ラインを下抜くと、上昇トレンドの勢いが弱まってきたことを示すので、決済の目安として利用することができます。

エントリー後、勢いよく上昇して高値をつけましたが、そこから大きく価格が下がり、さらに高値の切り下げが起こっていますね。

上昇の勢いが弱まってきて、ヒストグラムも0ラインを下抜きましたので、ここでポジションを決済、約12pips(1ロットで約12,000円)の利益になりました。

まとめ

今回、移動平均線とMACDだけを利用してエントリー、決済してみましたが、こんな風に多くの情報を与えてくれるのがMACDです。

うまく使いこなすことができれば、かなりトレードの精度が上がり、無駄なトレードが減ると思います。