
この記事にたどり着いたあなたは、もしかすると自動売買ソフトに苦い思い出があるかもしれません。
自動売買ソフトに関連する詐欺に遭ったとか、コツコツドカン型のソフトで一夜にして資金をゼロにしたとか、高額な自動売買ソフトがゴミ同然の成績だったとか…
僕もFXをスタートして間もないころ、自動売買ソフト(EA)の販売をしているサイトで購入したソフトが「逆張り&マーチンゲール」式のもので、あっという間に含み損が膨らんでそのまま10万円の入金額が一気に損切りされた経験があります。
当時は学生あがりだったこともあり10万円はかなりの大金だったので、一夜にして10万円を失って「人生終わったわ…」と茫然自失したのを今でも覚えています。
当時は自動売買ソフトの良い面しか見えておらず「放置で利益が出るなんて最高!」「一番効率よく稼げる自動売買ソフトがほしい!」と考えてMT4をインストールし、自動売買ソフトを買い漁り、無料で配布されているものにも手を出しました。
短期ですぐに稼ぎたいと考えていた僕は「月利100%超え」や「月間トレード回数60回」など、高頻度の取引と利益率の高さなどを追い求めて自動売買ソフトを選び、結局資金に見合わないリスクをとってしまって破滅したんですよね。
その後色々な経験を経て、裁量トレードのスキルもある程度は身につけ、また本業でやっているプログラミングの知識を活かして自分で自動売買ソフトを作るなどしながら、このブログを運営している今に至ります。
今回はそんな僕が今までに培ってきた自動売買ソフトに関する知見をもとに
- 自動売買ソフトとは
- 自動売買ソフトのメリット
- 自動売買ソフトのデメリット
- 自動売買ソフトを利用する注意点
- おすすめの自動売買ロジック
- 注意すべき自動売買ロジック
について書いていきます。
この記事の内容は個人的な見解であり、投資に関する助言を目的としたものではありませんので「そんな考え方もあるよね〜」くらいの参考にとどめてくださいね!
自動売買ソフトとは
このブログはFXに関する情報を発信していますのでFXに限った話をさせてください。
FXにおける自動売買ソフトは、MT4やMT5で動作する拡張機能みたいなもの、と思っていただいて構いません。
MT4やMT5はご存知の方も多いでしょうが、FXのトレードを行うためのソフトのことで、WindowsやMac、スマホ、iPhoneなどほぼすべての端末で利用することができます。
MT4やMT5に対応している証券会社の口座を開設して、その口座のログイン情報を使ってMT4やMT5からログインすると、チャートを見たり実際に取引を行ったりすることができるようなしくみです。
そのMT4やMT5を自動で操作してトレードを行うのが自動売買ソフトです。
自動売買ソフトを開発するためのプログラム言語として、MT4ではMQL4、MT5ではMQL5が採用されています。
MQL4やMQL5はC言語というプログラム言語がベースになっているので、もしC言語に詳しいのであれば自分で開発してみるのも経験の1つとしていいかもしれません。
いい自動売買ソフトが完成したら、僕にこっそり教えてください(笑)
現時点で開発元のMetaQuotes Software社はMT5の普及を進めたがっていますが、未だにMQL4で書かれたインジケータや自動売買ソフトが多く出回っており、逆にMT5に対応しているソフトが少ないため、MT5の普及があまり進んでいないのが現状です。
また、高機能チャート分析ツールのTradingviewというサービスでは、国内証券会社のいくつかと連携して直接トレードをすることができますが、このTradingviewにも自動売買の機能があります。
ちなみにTradingviewではPineScriptという言語が使われていて、こちらはJavaScriptに似た文法で書くことができます。
完全に余談でしたね!
では、自動売買ソフトで失敗しながらも、今では自動売買ソフトを開発したり自身でも運用している僕が、自動売買ソフトのメリットやデメリットをお話します。
自動売買ソフトのメリット
自動売買ソフトは、プログラムにあらかじめロジックを組み込んであり、それに従ったトレードを自動で行ってくれるのでたくさんの恩恵を享受できます。
あなたが忙しくても自動で取引
自動売買ソフトは人の手を介さないでシステムだけで完結するので、忙しい人でも設定さえ済ませれば完全に放置でトレードを行ってくれます。
普段は会社でお仕事をしている人にとって、日中にトレードチャンスが巡ってきてもなかなか対応できないですし、そもそもチャートを見ていられないのでチャンスに気づきもしないですよね。
でも、自動売買ソフトを稼働させていると、24時間FX相場をチェックしてチャンスを逃さずトレードしてくれます。
寝て起きたら資金が増えていた、なんて理想的ですが、自動売買ソフトなら日常的に起こり得ることです。
あまり煽るような言葉は使いたくありませんが、南国のビーチでハンモックに揺られ、トロピカルジュースを飲みながらのんびり読書をしている間にも、トレードチャンスとあらばソフトが自動で取引を行ってくれます。
世の中便利になったなぁと思います…。
感情に振り回されない
自動売買ソフトには当然ながら感情がありません。
もしあなたがこれまでに自分の裁量でトレードをしたことがあるなら、エントリー直後にレートが逆行して慌てて損切りしたり、損失を取り戻そうとして十分な根拠がないところでエントリーを繰り返したり、その結果さらに傷口を広げてしまったり
そんな経験をしたことがありますよね。
僕も嫌というほど繰り返して、これまでにトータルで50万円以上はそれが原因で資金を溶かしたと思います。
今でも時々、自分でトレードをしているとそんなふうに感情が動いて、なんとか自制して間一髪で踏みとどまる、ということもあります。
自動売買ソフトではこういう葛藤は一切なく、ただ淡々と決められたロジックにしたがってトレードしてくれます。利益確定はもちろん、損切りにも一切の感情を持ち込むことがないのでめちゃくちゃ頼もしいですよね。
いつ何時も一貫したトレードをしてくれるのは自動売買ソフトの一番のメリットだと思います。
誰もが同じ結果を得られる
自動売買ソフトには基本的に裁量の余地がありません。
いつトレードをするか、どこで決済をするかはすべてプログラムに書かれた通りなので、同じソフトを利用している人同士で成績が大きく変わることはありません。
使っている証券会社の提示レートがわずかに違ったり、スプレッドの違いによって誤差が出ることはありますが、基本的には同じタイミングでトレードが行われるので「みんな同じ」結果になります。
自動売買ソフトではフォワードテストといって、リリースされてからリアルタイムに実際の相場で運用成績を検証することがあります。
たとえば、フォワードテストで2023年1月〜2023年6月までの半年間のうちに50%の利益を出していたとしたら、あなたもその半年間運用していれば50%の利益が出ていた、とわかりますよね。
誰もが同じ結果を得られるので、すでに運用している他人の成績を参考にして、その自動売買ソフトを使うかどうかの判断をすることができます。
上記の理由からFXの経験の差が出にくく、初心者にもおすすめできますね。
ただし、優位性のある(統計的に勝ちやすい)ロジックであることが前提です。
優位性に乏しいロジックでは、全自動で資金を溶かすだけのマシンになってしまいますので注意してください。
おすすめのロジックや注意すべきロジックは後述します。
自動売買ソフトのデメリット
FX自動売買ソフトのメリットは重々わかったと思うのですが、今度はデメリットを書いていきます。
偏った見方をせずに、良いところと悪いところの両面を見てから判断すると良いと思います。
ロジックの弱い自動売買ソフトが多い
上に書いた通り、めちゃくちゃ大きなメリットがある自動売買ソフトなので、FXをやる人の中でも需要がかなり多いです。
需要が多いということは、供給する人もまた多いわけですね。
今や、探せばいくらでも自動売買ソフトの販売サイトはありますし、何千、何万ものソフトが乱立しています。
中には「月利100%」などとうたい高額で販売されていて、実際に稼働させてみると超ハイリスク、そのまま資金を溶かしてしまうというケースも…。
そういう時、販売者に説明を求めると「導入したタイミング的に負けやすい相場が来てしまっただけ」「そもそも利益を約束したわけではない」などと逃げられるのが鉄板パターンです。
それに、ここで詳しくは触れませんが「カーブフィッティング」という方法でバックテストの成績を極端に良く見せることができるので、実稼働させた時に期待通りの成績にならないことも多いのです。
僕もこの罠に引っかかったことがあり「最高月利200%」と書かれていた自動売買ソフトを運用して一週間経たずして入金額の5万円を吹き飛ばしたことがあります。
こんなふうに、ロジックの弱い自動売買ソフトが多く、またそれを見抜きにくいの自動売買ソフト選定の難しいところです。
おすすめロジックや注意すべきロジックは後述しますのでこのまま読み進めてくださいね。
パソコンをつけっぱなしにする必要がある
自動売買ソフトはMT4やMT5などの取引ソフト内で動くものです。
当然24時間相場を監視しトレードさせるために、MT4やMT5を起動させ続けないといけませんよね。
でも、家庭用のパソコンは24時間つけっぱなしにすることを想定した設計になっておらず、ずっとつけっぱなしにしておくと内部のパーツの劣化が早まったり、発熱したりするので故障や火災のリスクが常につきまといます。
そうでなくとも、熱暴走などでパソコンがエラーを出してしまい強制終了してしまうと、ポジションが決済されずに大きな損失に繋がる可能性もなくはないです。
また、パソコンをつけっぱなしにすると電気代もバカになりません。
せっかく自動売買で利益を出しても、その大部分を電気代の支払いに充てないといけなかったり、赤字になることだってあるかもしれないですよね。
ただしこれは、VPSというサービスを利用することで解消することができます。
VPSについても詳しくは後述します。
設定が面倒で、間違えると損失のもと
自動売買ソフトを正しく設定していないと、本来とは違うトレードを行ってしまい無用な損失を出してしまう可能性もあります。
基本的な設定方法は難しいものではないですが、自動売買ソフトによってそれぞれパラメータの設定項目や設定の推奨値が違います。
開発元が推奨している値を参考にして、パラメータをしっかり設定できているかをしっかり確認しましょう。
自動売買ソフトを利用する注意点
上に挙げたデメリットのほとんどは、適切に対策すれば防げるものばかりです。
他にも自動売買ソフトを利用するなら注意すべき点があるので、そちらもシェアします。
特に難しいことはありませんし、意識するだけで誰でもできそうなことなので安心して見ていってくださいね!
必ず利用前にバックテストを行うこと
これはどの自動売買ソフトでも共通で必ず実施してほしいことです。
バックテストというのは、過去のチャートの値動きに自動売買ソフトを適用してみてどんなパフォーマンスを発揮するかを検証することです。
たとえばこれは、先日リリースした自動売買ソフト「GiantPanda」をAUD/USDの5分足チャートで、2017年1月から2023年4月までの期間でバックテストしたグラフです。
MT4やMT5には「ストラテジーテスター」というバックテスト機能が備わっていますので、入手した自動売買ソフトをインストールできたら、まずはバックテストで成績を検証してみてください。
バックテストを実施するときにも、自動売買ソフトのパラメータを設定できます。
当然パラメータ次第で成績が変わるので、開発元や販売元が推奨値を提示しているならそれを参考に設定したほうが良いかと思います。
フォワードテストも実施すること
開発者によっては、フォワードテストを実施して公開している場合もあります。
販売ページやダウンロードページにフォワードテストがある場合は、成績をよく確認しましょう。
バックテストの結果に比べてかなり酷い成績なら、カーブフィッティングなど、なにか意図的に操作をしてバックテストをよく見せているだけかもしれません。
そもそも、バックテストの精度は100%ではなく、意外と低いです。
良くも悪くも実際のパフォーマンスとは差が出てしまうことがあるので、フォワードテストも確認したほうが良いと思います。
フォワード計測期間はできれば数ヶ月、長ければ長いほど良いですね。
もしもフォワードテストが公式に行われていない、公開されていないなどの場合は、自分でやってみましょう。
フォワードテストはデモ口座で大丈夫だと思います。
中にはデモ口座とリアル口座でパフォーマンスが変わるから、リアル口座のほうが良い、という方もいらっしゃいますし、不安な方はリアル口座でも良いでしょう。
僕は最近リリースした自動売買ソフト「GiantPanda」をデモ口座、リアル口座の両方で稼働させていますが、デモ口座とリアル口座で実際の成績にほとんど乖離はありません。
もしリアル口座でフォワードテストをする場合は、なるべく少資金・低ロットで稼働させるようにしましょう。
VPSの利用はほぼ必須
自動売買ソフトを24時間稼働させ続けるには、MT4やMT5を起動したままにしないといけません。
そうなると、電気代や火災リスク、その他のトラブルで損失を被るリスクが大きいということは上に書いたとおりです。
それら、パソコンをつけっぱなしにすることによるリスクをまるっと解決する手段がVPSです。
VPSとは…という話をするとややこしいので簡単に説明すると「インターネット上に自分専用のパソコンを設置して、そのパソコン上で自動売買ソフトを24時間稼働させ続ける」ということができるようになります!
MT4やMT5をVPSにインストールし、自動売買ソフトを設定して稼働させてしまえば、自分のパソコンの電源を切っていても、あなたのパソコンに代わってVPSが24時間体制で自動売買ソフトを稼動し続けてくれます。
「でも、そんな便利なサービス、お高いんでしょ…?」
って、思いますよね?
意外と安いので安心してください。月額数千円もあれば契約できちゃいます。
個人的にはABLENETという会社のWin1プラン(最安プラン)で月額1,000円〜2,000円程度のものがありますのでおすすめです。
ABLENETについて過去に記事を書いているのでそちらも参照してみてください。
ABLENETはMT4やMT5の利用を想定した設計になっているのもおすすめポイントです。
1日あたり缶コーヒー1本、あるいはコンビニのおにぎり1個我慢すればお釣りがくる程度の出費ですし、電気代のみを考えてもお釣りがくると思いますよ。
それでもって火災や損失リスクを低減できるわけなので、FXで自動売買をやるなら絶対に使うべきサービスだと思います。
経済指標の前後は自動売買の稼働を停止
FXトレーダーが一番気をつけないといけないのは経済指標かもしれません。
僕は幾度となく経済指標の値動きに巻き込まれて損切りしたことがあります。
経済指標の市場への影響度やサプライズの度合いによっては、チャートが乱高下することもあります。
そういう時ってテクニカルを完全に無視して価格が飛びまくることがあるので、運次第で大きな利益にも、大きな損失にも繋がります。
ただ間違いなくいえるのは、こういう運任せのトレードを行っていると最終的にはFX相場から退場を余儀なくされるということです。
自動売買ソフトは経済指標などのファンダメンタルズ要素は一切考慮せず、テクニカル的にトレード条件を満たしたかどうか?だけで判断を行います。
だから、経済指標前後の値動きが荒くなるときには自動売買ソフトの稼働を止めてしまうのも1つの手ですね。
ちなみに、バックテストではこうした経済指標の時間帯も含めて、指定した期間中ずっと稼働させた場合の成績を書き出してくれます。
その点は考慮してバックテストの結果を見てあげると良いでしょう。
ロットの設定は慎重に
いくら優秀なロジックを搭載した自動売買ソフトであっても、損切りは絶対に起こり得ます。
負けが続く期間だって普通にあります。
たとえば、僕がリリースしている無料EA「GiantPanda」のバックテスト結果を見てください。
これは2017年1月〜2023年4月末までのバックテストでの成績です。
1万ドルスタートで最終的に4.5万ドルの利益が出ているので、この期間中に資金を約5.5倍に増やしているのがわかります。
これって、年間の利益率に直すと80%程度になるわけで、1年で100万円が180万円になると考えるとすごい優秀じゃないですか。
でも、月間の収支を見てもらうと、2019年の11月〜2020年の3月の5ヶ月間にわたって、月間収支に赤字が続いています。
もちろんこの期間中、全てのトレードで負け続けたわけじゃないですが、少なくとも月単位でみたときに負けが5ヶ月間続いているわけです。
成績優秀な自動売買ソフトでも、こういう連敗する時期は避けられません。
トータルではプラスになるとしても、もしかすると来月から半年間、負けが続く相場になるかもしれないですよね。
そんなときに冷静になって運用を続けることができるか、資金の増減が気になって夜も眠れないほどストレスを感じるか、あるいは資金が減るのが怖くて運用を止めてしまうか…
それは心に余裕があるかだと思っています。
心の余裕は資金の余裕であり、ロット管理に余裕を持たせているかだと思うんです。
勝ったり負けたりを繰り返しながらトータルでプラスを目指すのがFXなので、1回毎のトレードや月ごとの成績に一喜一憂しても仕方がありません。
開発元や販売元が推奨ロットを提示しているなら、それよりも少なめくらいのロットで運用するのが精神衛生上良いのではないでしょうか。
たとえば上記の「GiantPanda」の例では、100万円につき1ロットを想定して作っています。
10万円を初期証拠金とした場合、0.1ロット想定ということになりますが、それをさらに自分の裁量で0.08ロットや0.05ロットなど少し下げて運用すると、さらにリスクを抑えた運用ができますよね。
短期的な利益をあてにしない
繰り返しになりますが、自動売買は長期戦です。
数週間、数ヶ月の短期間の間に何倍にもなることを期待してはいけませんし、そういう自動売買ソフトは大抵が超ハイリスクで、逆張りナンピンなどで一気に資金をゼロにする可能性も同時に考えないといけないでしょう。
そうでなくても、早く結果を出すことを求めすぎると無理にロットを上げたりしてしまいがちです。
結果、数回の負けが続いたくらいで再起不能レベルの損失を被ってしまっては元も子もありません。
「過度な期待は破滅の元」と心得て、ある程度の期間をかけて資金を増やすものだと考えると良いと思います。
おすすめの自動売買ロジック
さて、ここからが僕の経験をもとにした自動売買ソフトの選び方に関するコーナーです。
ただし、冒頭でも書いた通り、あくまで個人の見解ですのでご了承ください。
また、世の中にある無数の自動売買ソフトを網羅することはできません。
男と女について語るときも「そういう傾向はあるが絶対じゃない」ですよね?それと同じような感覚です(笑)
「一概には言えない」という前提のもと、見極めるコツや目安と思って読んでいただけると嬉しいです。
回りくどい前置きもそこそこに、早速紹介していきましょう!
この記事も後半に差し掛かりました。じっくり読んでみてください。
トレンドフォロー型
シンプルに、トレンドフォロー型が良くも悪くも一番成績が安定しやすいです。
安定的に資金を増やせる、あるいは、安定的に右肩下がりになることもあります。
ちなみに、先ほど軽く紹介した「GiantPanda」もトレンドフォロー型の部類です。
バックテストで5ヶ月連続で負けている時期があったものの、年単位では負けている年はありませんし、長い運用期間での一時的な落ち込みにすぎません(あくまでバックテスト上の結果ですが)。
というのも、FXトレードの基本は順張りトレード(トレンドフォロー)だからです。
ダウ理論という有名なFX理論がありますが、トレンドは継続するからトレンドなのです。
明確にトレンドの終了となる要因が出るからトレンドが終了するのであって、それまではトレンドが継続します。
だったら、出ているトレンドに乗っかるのが戦略として正しいのは言うまでもないですよね。
ファッションでも同じだと思います。
「今年はこの色が流行っている」と雑誌で紹介されているなら素直にそのトレンドに順張りするべきですし、あえて逆張りでトレンドに逆らわなくてもいいじゃないですか(笑)
トレンドの中でも深い押し目や戻りをつけた際に損切りになることももちろんありますが、だからといってトレンドに逆らうのが良いという理由にはなりませんし、トレンド方向に優位性があるのは間違いないでしょう。
そんなわけでFX初心者、とくに自動売買ソフトにあまり慣れていない方は、最初はトレンドフォロー型のものを選ぶのがおすすめです。
低ロット長期保有型
こちらは賛否が分かれるところですが、個人的には資産運用的な側面でアリかな、と思っています。
投資信託よりはリスクやリターンが大きいけど、FXの中ではかなりリスクやリターンを抑えられるような、そんなイメージでしょうか。
大きな資金を用意できる方向けにはなりますが、資金力でもって含み損を耐え、利益が出たところで決済を行うタイプの自動売買ソフトです。
為替相場には一定のレンジが存在します。
たとえばドル円は記事執筆時点では140円前後ですが、これが150円や100円になることはあっても、200円や300円になることはなく「常識的なレートの範囲」がある程度決まっています。
上がったレートはいつか戻ってくる可能性が高いですし、下がったレートもいつか戻ってくる可能性が高いわけです。
だから、100万円単位でお金を入れることができる人は、小さなロットでエントリーしてあえて損切りをせずに戻ってくるまで耐えるタイプの自動売買ソフトを導入するのも1つの手です。
ただし、長期保有にあたってはスワップポイントを考慮しないといけません。
大抵の場合、スワップポイントは投資家に不利に付与されるので日々マイナスが蓄積されてしまいます。
スワップフリー口座を提供しているXMの「極-KIWAMI-口座」ならその点心配無用です。
とはいえロジックの性質上、万人におすすめできるものではないことはご理解ください。
具体的には「ハーフ・アンド・ハーフ」や「グリッドトレード」などと言われるロジックがこれに該当するかな?と思います。
※ハーフアンドハーフやグリッドトレードを採用した自動売買ソフトがすべて良いというわけでもなく、ソフトによって良し悪しは変わってきますのでご注意を
注意すべき自動売買ロジック
逆にこちらは、僕が過去に痛い目に遭ったこともあり、リスクが高すぎたり優位性に乏しかったりする自動売買ソフトが多いと感じるロジックです。
もちろん大きく利益を出してくれる優秀なものもあるでしょうが、リターンが大きいということはリスクも大きいということをわかっておかないといけませんよね。
逆張り+ナンピンマーチン型
逆張り+ナンピンマーチン型はハイリスク型EAの典型パターンです。
一方向への値動きに対して逆張りを仕掛けて、短期的な反発を狙った逆張りトレードをする自動売買ソフトがこれにあたります。
さらにそうした逆張り型の自動売買ソフトでは、ナンピンやマーチンゲールを採用しているものがめちゃくちゃ多いです。
ナンピンは、エントリー後にレートが逆行したときに同じロットでさらにポジションを積み増しして平均購入価格を引き下げることで、利益確定をしやすくするトレード手法です。
例えばドル円が110円のときに1ロット買ったものの、逆行して109円になってしまった場合、さらに1ロットで買いポジションを持ちます。
すると合計ポジションは2ロットになり、平均購入価格は110円と109円の間で109.5円になりますよね。
つまり、損益分岐点が110円から109.5円に引き下げられたことになり、利益確定のハードルが少し下がります。
ただし、ロットは2倍になっているため、さらにレートが逆行した場合には含み損も2倍のペースで増えていきますね。
マーチンゲールは、基本的な考え方はナンピンと同じですが、追加で持つポジションのロット数を倍々に増やしていく手法なので、ナンピンよりもさらにリスクが高いといえます。
これらのロジックを積んでいる自動売買ソフトは、勝率こそ高くなりますが、負けたときの一撃がかなり重いです。
持てる限りのロット数でポジションを保有したものの、最後にはレートが戻ってこずにそのまま強制ロスカットされる、というケースがほとんどです。
ハイリターン以前に、リスクが高すぎるので覚悟のある方のみ利用しましょう。
逆張りが必ずしも悪いわけではありませんが、ナンピンマーチン型ソフトは逆張りとセットになっていることがほとんどですので注意してください。
スキャルピング型
1日の中で何度もトレードチャンスを見つけては売買を繰り返してくれるスキャルピング型は、リアルタイムに資金が増減するので見ていて楽しいですし「トレードしてる実感」が常にあるので好む人も多いと思います。
ロジックがハマれば、トレード回数が多く資金効率がかなり良いので、あっという間に大きな利益になることだってあり得ます。夢のある世界ですね。
ただし、スキャルピングはタイミングが命です。
仮に自動売買ソフトが条件を満たしたので発注したとしても、そこから約定までに1秒でもズレが生じると、その間の値動きが成績に大きく影響することもあります。
それに、自動売買に限った話ではないですが取引コストもかさんできます。
エントリーからエグジットまでの一連の流れごとに、証券会社に手数料やスプレッドなどの取引コストを支払わないといけません。
そうなると、トレード自体はプラスで終わっているのに手数料やスプレッドで赤字になってしまうこともありますよね。
このパターンは多いです。
僕も一時期、ポンド円のスキャルピング型自動売買ソフトを開発していたことがあり、バックテストでの成績は右肩上がりでしたが、実際に運用するとタイミングがシビアで成績が安定せず、スプレッドのせいで大した利益も出せず、苦い経験をしました…。
もちろん手数が多いのは資金効率の面で1つの武器になりますが、それは手数料の面では弱点にもなる、諸刃の剣であることを理解しておきましょう。
まとめ
ここまで僕が実際に経験したことを踏まえて、FXの自動売買ソフトのメリデメ、注意点やおすすめロジックなどを書いてきました。
思ったより長い記事になったので、最後にまとめておきます。
・感情に振り回されないで一貫性のあるトレードができる
・誰もが同じ結果を得られる
・パソコンをつけっぱなしにする必要がある
・設定が面倒で、間違えると損失のもと
・フォワードテストも実施すること
・VPSを利用すること
・経済指標前後は稼働を停止させる
・ロットの設定は慎重に
・短期的な利益に固執しない
・低ロット長期保有型
・スキャルピング型
自動売買を含め、FXは「いかに元本と長く付き合っていくか」というゲームだと考えることもできます。
資金を溶かせば退場ですし、逆に着実に資金を増やしていくことができれば、最初に入金した10万円から利益が生まれ続け、生涯にわたってあなたの生活を豊かにしてくれる可能性も秘めています。
お金の不安がなくなってもなお、仕事にやりがいを感じるならもっと打ち込めるようになりますし、嫌だと思ったら辞めてしまってもいいわけです。
ゲームが好きならゲームに明け暮れても良いですし、大切な人や日頃感謝している人に回らないお寿司をご馳走することだってできるようになります。
僕自身もまだまだFXを勉強しながら情報発信をしていますし、FXを続ける限り日々勉強だなと思っていますが、そんな豊かな人生を夢見て頑張っています。
初心者の方から一歩先んじているくらいのレベルですが、あなたと一緒にFXを頑張っていけたらいいなと思っています。
ここまで読んでくださったあなたにもぜひ「FXの世界でしぶとく生き残る」視点を取り入れていただいて、末永く相場から利益を享受しながら、自由な人生を謳歌してほしいなと思います。
これから自動売買ソフトを使ってみようという方や、使ってみたけど思うように収益が上がらず困っている人の参考になれば嬉しいです!
また、本文中で何度か出てきた「GiantPanda」という自動売買ソフトは、MT4対応・無料で提供しています。もしも興味があればGiantPandaリリース時の記事もご覧ください。