
FXとは一見関係なさそうに見えるコモディティですが、ファンダメンタルズ分析を行うにあたって気にかけておくことをおすすめします。
コモディティはモノの価値を表しますので、基本的な考え方としては「モノの価値が上がれば通貨価値が下がる」ということになります。
コモディティとは?
コモディティは世界で共通に価値を認められている資源のことを指します。
通貨は国によって使える、使えないという違いがありますが、例えば金は世界のどこに行っても価値があるものとして共通認識がありますよね。
コモディティには金などの貴金属以外にも、原油、とうもろこしなどの穀物、天然ガスなど種類があります。
これらの価格もいろんな要因で常に変動しています。
コモディティとFXの関係性
そもそもこうしたモノは世界中で貿易が行われていて、その決済は米ドルで行われるのです。
例えば日本とタイで貿易を行う際、決済通貨は日本円でしょうか?タイバーツでしょうか?
実はどちらでもなく、こうしたアメリカが関わらない貿易であっても、決済通貨は米ドルが使われることが基本なのです。
よって、モノの価値が上がれば、相対的に米ドルの価値は下がるということはイメージできるでしょう。
コモディティの価格が上がっていて米ドル/円のチャートが下がっている、といった相関が出やすいということです。
金とFXの関係性
金は安全資産として、世界中で共通認識があります。
通貨は、その国がお金として価値を保証しています。つまり万が一国が破綻することになれば、その通貨は価値を失いますよね。
一方で金は、どこかの国によって価値を保証されているわけではなく、世界の共通認識として金それ自体に価値が認められているのです。
これが、金が安全資産といわれる所以です。
世界経済に何かが起きた時、リスクオフ(リスクを避ける)の動きとして金が買われることは非常によくあることですね。
ただし金は通貨のように金利がつきません。
米ドルの金利が高いときは金からお金が流出し、金利目当てで米ドルを保有する投資家が多くなります。つまり金の価格が下がるのです。
原油とFXの関係性
原油は主要国でいうとカナダで採れやすいです。
そのため原油価格が上がるということは、輸出国であるカナダの貿易収支が良くなるということです。原油高=カナダドル高の相関になることが多いですね。
基本的にはモノと通貨の関係なので、原油が高ければ米ドルは下がります。
鉱物とFXの関係性
銀や銅、石炭などの鉱物はオーストラリアでよく採掘されます。
世界の景気が良くなるとこれらの資源の需要がたかまりますので、鉱物の価格が上がることで豪ドルが上がりやすくなります。
例によって、鉱物が高ければ米ドルは下がります。
まとめ
こんなふうにモノにも価値があり、その価値が上がれば産出国の貿易収支が改善、結果として通貨高となります。
米ドルに関しては、モノの価値と逆相関関係にあるため、モノの価値が上がれば米ドルが下がります。
ただしどんなファンダメンタルズ分析にもいえることですが、この1つの判断材料に偏るのは危険です。
米ドルの価値を動かす要因は色々なものがあります。
モノの価値が上がったから米ドルが下がる、とそれだけの根拠でトレードしてはいけませんし、他に米ドルが上がる強い材料があれば、当然上がることもあります。
あくまで多面的にファンダメンタルズを捉えて判断する、わからないときはトレードしない、がベストな選択です!