
FXにおいて経済指標はとても重要なファンダメンタルズ要素ですね。
ではどうして経済指標で大きく為替相場が動くのでしょうか?
結論から言うと、経済指標の結果を受けて、中央銀行が利上げや利下げなどの政策を行うからです。
為替相場を動かしている根幹にあるのが、各国の中央銀行なのです。
中央銀行は利上げや利下げなど、金利政策を通じて景気を安定させ、自国の通貨の価値を一定に保つことを使命としています。
だから、FXトレーダーは常に中央銀行の動向を把握していなければいけないということですね。
今回の記事をご覧いただければ、中央銀行が政策金利を発表するスケジュールや相場が動くタイミングがわかり、その流れに乗って利益をあげる方法がわかります。
基本的に政策金利が高い通貨に資金が流れやすいため、発表後は非常に大きく、長続きしやすいトレンドが発生するんですね。
余計なリスクに資金を晒すことなく、トレンドに順張り、ファンダメンタルズに順張りで大きな利益を狙いましょう!
FRB(米国)
FRBはアメリカの中央銀行のことを指す略称で、経済ニュースなどでも頻繁に出てくる言葉です。英語では”Fed”と書かれることがあります。
「FRBが0.25%の利上げを発表」というニュースが出た場合には「アメリカの政策金利が0.25%上がった」と言い換えることができますね。
FRBは世界の中央銀行
世界中の通貨を全てかき集めると、そのうち45%は米ドルといわれています。
これはドルが基軸通貨といわれる所以でもありますが、つまるところアメリカの経済の動向は世界経済に影響を及ぼすということです。
だから、FRBはアメリカの中央銀行のみならず、世界の中央銀行といっても差し支えないでしょう。
どの通貨ペアでトレードしている人も、FRBの動向は絶対に追いかけていますし、アメリカで大きな経済ニュースが流れたときには世界中の金融業界に警戒感が高まります。
2023年3月に起こったSVB(シリコンバレー銀行)の経営破綻もアメリカの地方銀行のニュースですが、その影響により複数の銀行が破綻したり、危機に見舞われたりしていました。
リスクを避けるために、ニュース直後から安全資産として日本円が買われる、という動きも見られましたし、クレディ・スイスというスイスの銀行までもが危機にさらされることにもなりましたよね。
それくらいに、アメリカというのは良くも悪くも世界経済への影響が大きいわけです。
FOMC
FOMCというのは、FRBが政策金利を決めるための会合のことです。
今後のアメリカの金利をどうしていくかについて、専門家を交えてFOMCで話し合いを行います。
スケジュール
スケジュールは年に8回となっていて、日本時間では夜中の4時(サマータイムでは3時)に話し合いの結果が発表されます。
- 1月下旬
- 3月中旬
- 5月上旬
- 6月中旬
- 7月下旬
- 9月中旬
- 11月初旬
- 12月中旬
若干のズレはあるものの、だいたい1.5ヶ月の周期で開催されますので覚えておきましょう。
事前に動くことも
FOMC後はスケジュール通りに記者会見を行い、FRB議長が金利政策について発表します。
ただし、実は記者会見を行う際の原稿が、発表の少し前にウェブサイト上に公開されるのです。
このため、発表前に相場が大きく動くこともあるため注意が必要です。
会見での質疑応答に注意
原稿に書かれている内容に当たり障りがなくあまり相場が動かなかったとしても、行われているのは記者会見です。
記者との質疑応答でサプライズ発言が飛び出した場合、それにつられて大きく動くこともあるため、発表時間からしばらく後は注意が必要ですね。
景気動向によって発表内容が変わる
当然ですが、FOMCで決定される金利には直近の景気動向が反映されています。
景気が良すぎるならばブレーキをかけなければいけないし、景気が悪すぎるなら景気を加熱してやらなくてはいけません。
・景気が良すぎる→ブレーキをかけるために利上げ→ドル高&株安
・景気が悪すぎる→加熱するために利下げ→ドル安&株高
日本銀行(日本)
日本銀行は日本の中央銀行ですね。
日銀政策会合
日本銀行で行われる、日本円についての政策会議を「日銀政策会合」といいます。
スケジュール
FOMCと同じく、頻度としては年に8回です。
- 1月中旬
- 3月上旬
- 4月下旬
- 6月中旬
- 7月下旬
- 9月中旬
- 10月下旬
- 12月中旬
こちらも週単位でのズレなどありますが、ざっくりとこのようなスケジュールです。
最近の日銀政策会合は注目度が上がりつつある
実は最近まで、あまり日銀政策会合は世界的に注目を浴びていませんでした。
というのも、日本は長期的に不景気でマイナス金利政策をずっと続けてきたような国です。
「政策会合で話し合ったところで、どうせ金利は上がらないだろう」と思うのも無理はないですね。
ただし2023年3月時点で、この超低金利政策からの脱却が見えはじめたことにより少しずつ注目度が上がってきているように感じます。
がんばれ、日本!
為替相場との相関性はFOMCと同様
基本的な考え方はFOMCと変わりません。
利上げ=円高(クロス円の価格が下落)、逆も然りです。
ECB(欧州)
ECBは欧州(ユーロ圏)の中央銀行です。
ECB理事会
ECB理事会は、ユーロについての政策金利について話し合う会議を指します。
スケジュール
FOMCや日銀政策会合と同様、年に8回です。
- 2月上旬
- 3月中旬
- 5月上旬
- 6月中旬
- 7月下旬
- 9月中旬
- 10月下旬
- 12月中旬
日本時間22:15(サマータイム21:15)という中途半端な時間帯ですが、こちらも忘れないようにチェックしましょう。
ユーロは欧州の広いエリアで流通している通貨で、世界での流通量は米ドルに次ぐ第2位に君臨しています。
為替相場全体に大きな影響力をもつため、現在の政策金利が何%なのか、今後の政策はどのように予想されているか、といったことを把握しておくのが大切です。
為替相場との相関性
こちらもFOMCと考え方は同じです。
ユーロやポンド(イギリス)などの欧州通貨が大きく動きます。
ジャクソンホール会議
これは番外編のような位置づけですが、きわめて注目度が高いイベントのため紹介しておきます。
ジャクソンホール会議は、世界各国の金融関係者や専門家が集まって世界経済について議論する会議です。
毎年8月に開催される年1回の特大イベントです。
直接的にこの会議で政策金利が動くわけではありませんが、ここで話し合われた内容によっては大きく相場が動くことがあるので気をつけましょう。
まとめ
さて、今回はFXにおける主要な国の中央銀行とその政策発表について紹介しました。
基本的な考え方は変わらず「政策金利上昇→通貨高&株安」の相関になることが多いです。
また、政策金利の発表は年に8回で、年によってスケジュールは多少前後します。
各国政策金利発表のスケジュールが一覧になっているページをリンクしておきますので、必ず確認してカレンダーに書き込みましょう!
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